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【症例】76歳 男性 
【主訴】労作時呼吸困難 
【現病歴】 
  H14年から近医にて(COPD)、喘息と診断され外来followされていたが、H18年2月当科 
 紹介となり以後、COPD(stage4)、BA(step3)にて抗コリン、β2刺激薬、抗LT拮抗薬、
 ICSとしてBDP400μg/day投与にてfollow upとなっていた。
  H20年7月ころより、MRC3の労作時呼吸困難を自覚するようになった。この時点での
 呼吸機能検査にてVC 2.07L、%VC 64.4%、FEV l.0 0.56L、FEV1.0(% pred.) 26.7、
 FEV l0/FVC 28.6%と混合性換気障害認め、COPDの進行に加え、加齢、筋力低下などに
 よる症状の悪化と考え、呼吸リハビリ目的でH20年9月25日当科入院となった。 
【生活歴】
 喫煙歴: 45pack・years(ex.6年前より禁煙)
 飲酒歴: ビール500ml/day
 アレルギー歴:なし
【入院時現象】
 BT: 36.6℃、HR: 76/min、RR: 22/min、BP: 132/70mmhg、SAT: 96%(room air)、
 身長: 162.3p、体重: 49kg、BMI: 18.6、
 意識: 清明、
 頚部: 頚静脈怒張なし、頚部リンパ節腫脹なし 
 心音: 雑音なし、リズム整、
 呼吸音: 明らかなラ音なし、呼気延長あり
 腹部: 平坦、軟、圧痛なし、腸音正常
 四肢: 浮腫なし、ばち指なし
【既往歴】 
 74歳:急性膵炎 
【経過】 
  入院後、薬物治療に関しては特に変更せず、包括的呼吸リハビリとして、理学療法、
 作業療法、栄養指導、服薬指導行った。自覚症状、運動耐用能など改善を認め。リハビ
 リ後に行った呼吸機能検査では、VC 2.33L、%VC 75.2%、FEVl.0 0.56L、
 FEV1.0/FEV1.0 28.6%、FEVl.0(%pred.) 26.9%と閉塞性障害の改善は認めないものの
 VCが前回値より0.26L改善し、%VCが前回値64.4から75.2%と拘束性障害の改善
 認めた。血液ガス分析では、室内酸素で㏗ 7.394、PCO2 41.8torr、PO2 73.3torr、
 HCO3 25meq/l、SpO2 95.5%であり、HOT適応はなく、導入せずに帰宅していただいた。